MAKUHAL(マクハル)の施工を始めます

MAKUHAL(マクハル)とは、チューブレス運用において従来のシーラントとは違った使い方をする新しいシーラント。

最大の特徴はチューブレスタイヤ内にシーラント液を残さず、全て抜き取って施工完了となる事です。

要は、MAKUHALを施工することでタイヤ内に薄いラテックスの”膜”を張らせ、それにより空気の漏れを防ぐというものです。

パンクしたときには、MAKUHALを少量足すか専用の修理キットを使うことでほぼ完璧に修理ができるとの事。

...という所までは以前から知ってはいたのですが、導入には至っておりませんでした。

ところが先日、お持ち込みの作業でMAKUHALを依頼されまして、その時は一度も施工した事が無い事に加え、MAKUHALについて勉強不足だったので申し訳ありませんがお断りさせて頂きました。

ですが、それをきっかけに改めてMAKUHALについて理解を深めようと自身のタイヤに施工と実験を重ね、MAKUHALを施工するメリットは大いにあると判断しました。

というわけで、施工サービスを始めようと思います。

MAKUHAL(マクハル)のメリット

まず、MAKUHALのメリットをいくつか並べてみます。

  • タイヤ内にシーラント液が無いことによる軽量化
  • タイヤ内にシーラント液が無いのでバルブ詰まりが起こりにくい
  • タイヤ内にシーラント液が無いのでパンク修理時にタイヤを外す作業がしやすい
  • タイヤ内にシーラント液が無いのでシーラント液がダマになって固まる事が無い

という感じでしょうか。並べてみるとタイヤ内にシーラント液が無いという事がメリットの全てで、それから派生したメリットがいくつも存在するといった感じです。

逆に言うと今までのチューブレスのシステムに於いて、タイヤ内のシーラント液がいかに邪魔な存在だったかが分かります。

メリットだけでなくデメリットも並べてみます。

  • 施工に手間が掛かる
  • タイヤ内にシーラント液が無いのでパンク時にシーラント液が穴を塞ぐ事が無い

...これだけ?かもしれません。

メリットについて説明

メリットについて順番に説明すると、まずシーラントが無いことによる軽量化ですが、これはそのまんまです。

MAKUHALはタイヤ内に膜を張ったら残りの液体は全て抜き取ってしまいます。すなわち、通常なら残っているはずの液体が無くなる分の軽量化が出来ます。

タイヤが太ければ太いほどシーラントの使用量は増えるので、液体がタイヤ内に残っていない事の恩恵は大きくなります。

薄い膜が張った状態

バルブ詰まりが起きにくいというのも、チューブレスを使ったことのある方ならメリットとして感じることが出来ると思います。

タイヤ内にシーラント液があると、空気の補充をする度にバルブにシーラント液が集まってくるので、段々バルブの動きが悪くなって空気が入りにくい詰まった状態になってしまいます。これが地味に煩わしい。

タイヤ内にシーラント液の無いMAKUHALならこれも解消されます。

パンク修理時にタイヤを外す作業がしやすい。これは、チューブレスでパンクしてしまった人なら最大のメリットと感じるかもしれません。

シーラントで塞がる穴なら、パンクしても勝手に治るのでいいのですが、そうじゃない場合。タイヤを外してチューブを入れるという作業が必要になります。

この時にタイヤ内にシーラント液がたっぷりあると、ベタベタになりながら作業をする事に...中々悲惨です。

MAKUHALの場合はタイヤを外してもベタベタのシーラント液は出てこないので作業性に優れます。多少、液が残っている場合はありますがウエスでサッと拭きとれる程度。

スムーズにスペアチューブを入れることが出来ます。

ただ、入れたチューブは走り終わったら取り出した方が良さそうです。MAKUHALの成分とくっつく可能性があるので、長期間そのままにしておくとタイヤと一体化する事もあるかもしれません。

ちなみに自分のタイヤで実験した時は、1日くらいはチューブを入れっぱなしでもくっつく気配はありませんでした。

そもそも、MAKUHAL専用のタイヤリペアキットを使えばタイヤを外すことなくパンク修理することも出来ます。

シーラント液がダマになって固まる事が無い、というのは長期間乗らなかった時の事。長期間乗らない事があるとシーラント液がタイヤ内の一か所に留まり続けるので、その場所でダマになって固まっていることがあります。こうなると、シーラント液の役割も果たしませんし、ホイールのウエイトバランスを著しく崩す原因にもなります。

シーラント液がタイヤ内に残らないMAKUHALではこの心配もありません。

デメリットについて説明

MAKUHAL最大のデメリットは施工に手間が掛かる事。

以下の動画を見てもらえれば分かると思いますが、中々の手間です。そして結構汚れます。

これをユーザーさんご自身で、ご自宅で施工となるとちょっとハードル高すぎな気がします。

なので施工に関してはお店にお任せください。お任せ頂ければ最大のデメリットは解消です。

もうひとつ挙げたデメリットの、シーラント液が穴を塞がないという事ですが、これはそもそもシーラント液が無いことでパンクリペアを楽にしている側面があるのでデメリットとなるのか疑問です。

パンクしたらチューブを入れるか、専用のリペアキットで修理をしましょう。

ちなみに専用リペアキットで修理時の公式動画もあります。完璧に治ってますので、ご参考までに。

施工時の注意点

MAKUHAL施工時の注意点がいくつかあるのでお伝えしておきます。

まず、施工するタイヤは基本的に”新品”タイヤとさせて頂きます。

一度他社のシーラントを使用したタイヤの場合、残ったシーラントの影響でMAKUHALがうまく施工出来ません。

タイヤに残ったシーラントを剥がせば施工出来なくはありませんが、とんでもなく手間が掛かります(自身のタイヤで実験済み)。

地道に剥がすしかない

さらに、古いシーラントを剥がせたとしても綺麗にMAKUHALが施工できるという保証はありません。綺麗に剥がせたと思っても剥がせていなかったり、脱脂が上手くいかずにMAKUHALのノリが悪かったりします。

なので、基本的には新品タイヤへの施工でお願いします。

ただし例外的にそのまま施工できる場合もありますのでご相談下さい。

次に、リムテープを使用している場合は新品のリムテープに貼り替えを推奨します。

これも他社シーラントによってMAKUHALの施工が上手くいかない可能性がある為です。

あと、できればチューブレスバルブも新品の方が良いですが、これはバルブの傷み具合によってはそのまま使えたりもします。

施工にあたり車体もしくは施工車輪はお預かりになります。最低でも3営業日はお預かりしての施工になりますのでご了承願います。

施工料金について

タイヤが新品。リムテープも新品もしくはリムテープレスのホイールの場合。

片輪の施工工賃が¥3,500(税込)

リムテープの交換が必要な場合はリムテープの交換工賃¥1,650(税込)(片側)とリムテープ代が必要となります。

以上のような施工料金でやらせて頂きます。

MAKUHALはこれまでのシーラントと全く違う新しいタイプのシーラントですが、チューブレスの安定運用という点で従来品より頭ひとつ抜けている感があります。

チューブレスを使用してきて、シーラントの管理が面倒だなと感じていた方にとって救世主になるかもしれません。というかシーラントの管理が面倒じゃない人なんていないとは思いますが。

施工に手間が掛かる為、施工料金は掛かりますが一度施工してしまえば後の管理は従来品の比ではありません。

チューブレスならMAKUHAL一択という時代が来るかもしれません。

施工依頼についてお気軽にご相談下さい!